アフリカの枕
枕の物語 vol.07
日本の枕をはじめに、世界の枕の中からいくつかご紹介してきました。今回は、アフリカの枕です。素材に日本やアジアの枕との共通点はありますが、クッションから派生して広まった、ヨーロッパの羽毛の枕とは全く異なる形状をしています。 アフリカのサハラ砂漠以南に定住している牧畜民の多くが使っているのは、木製の枕です。東アフリカの牧畜を生業とする人々のうち男性は、一本の木から彫り出したT字型のスツールを、枕としても用いているのです。そして、自分の枕を所有し、それをどこへ行くにも必ず携帯しているのです。ケニアやエチオピアなど、地域は異なっても、そこで「木製枕」を表す単語は、「椅子」という意味も兼ねていることが、それを物語っています。